田中角栄語録より 4



「人材と言われて伸びる人物は、それなりの徳と才の二つを兼ね備えている。
どちらに力点のある人物が後継者にふさわしいか。
こうした場合、”松下電器”の松下幸之助は徳の人を採ったと言われているが、
田中もまたそういうところがあった。カミソリより、ナタの切れ味を好んだところにも表れている。
だから、何事にもソツのない竹下は買われなかったということだ」



禅僧・村上素道
「”徳の人”は大将の器たるべし。
”才の人”は補佐役たるべし」



真の側近、腹心のいないリーダーの基盤は、いかに脆いかということでもある。
逆に強力な側近、腹心のいるリーダーの基盤は強いということである。
ただし、この場合、単なるリーダーに知恵を授ける「ナンバー2」ではなく、
全責任を持って”泥をかぶれる”それであることが要求される。
主君は、側近、腹心から、守られてこそ、その座をまっとうできるのである。



優れた人材は、なぜ孤独になるのか 評論家・伊藤肇 「人間学」
1. トップには、同僚の存在というものがない
2. 意思決定に助力を求められない
3. 自由に意思の伝達がしにくい
4. 正しい情報を得ることが稀である
5. しかもなお、最終的な責任は負っている



時の主税局税制第一課長・山下元利が
所得税法改正案の税率表の数字を間違えた”事件”である。
電子計算機の取り扱いミスが原因だった。
「何、大したことじゃない。日本の算盤がコンピューターのミスを発見したことにしておけばいい」



心がなごむことは、誰でもやりたがるが、痛むことは、やりたくないということである。



信長に仕え、秀吉を震撼させ、最強と謳われた軍隊をリードし続けた
文武の名将蒲生氏郷がまた”人事の断ち切り”の名人であった。
氏郷はクビもよく切ったが、一方で
「知行と情けは車の両輪、鳥の翅のごとくに候」と
逆に違反者を容赦なく処断した諸国大名のもとで
落ちこぼれた武士を引き上げることも辞さなかったことで有名だった。
「人は俺の目で見る。よければ採るが、悪ければ切る。
つまりは、人事の引継ぎはしないということだ」としていたのである。



政治もまた、経営である。「経営とは、ノーといえる勇気」でもある。



人間は「長い目で見れば信用される」のだ。



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